19.サラリーマンに向いていない自分・その2

個人事業主を辞め、再びサラリーマンになろうと決心した私は、まず派遣社員になりました。

その会社は外資系で、当時は事業拡大のため人をどんどん増やしていた時期でもあり、とても羽振りの良い会社でした。

そして私が入って1ヶ月も経たない内に、ある「土曜日の夜間作業」があったのです。
土日の勤務は普段の時給の25%増、夜間作業は更に25%増(もしかしたらどちらかが35%だったのかも?)ということで、この一晩の作業だけでかなり稼ぎました。

そしてその時の給料は、個人事業主の時に30分刻みで頑張って働いた時と同じか、それよりちょっと多かったのです。

「同じ知識・技術・経験を持っていながら、働く場所でこんなにも稼げる金額が違うのか!?だったら、もっと効率良く稼げるようになったほうがいい」と、その時思いました。

そんな羽振りの良かった会社も、あることがキッカケで廃業に追い込まれます。
結局その会社には2年半くらいしか、いることはできませんでした。

そして転職を余儀なくされたわけですが、運の悪いことに、私が有給消化中にリーマンショックが起きます。

そして転職活動を始めた時には、「(私の希望する職種の)求人が全くない」という状態になりました。
結局、半年間、募集がない、もしくは応募しても書類選考で落ちまくるという始末。

仕方がないので、以前やっていたSEで応募するも「今どきの言語ができない人なんて要らない」と足蹴にされ、仕事としては未経験な(でも、趣味レベルではそこそこできる)業界に申し込むと「業務としては未経験なので、新卒と同じ扱い(給料)になりますが大丈夫ですか?」と言われ、その金額では生活できないので断念。

結局半年間、全く仕事が決まらないという状況に陥ってしまいました。
そして半年がたった頃、景気が戻ってきたのか、いくつかの派遣会社からオファーが来出しました。

そして面接をし、紹介予定社員として新たなスタートを着ることができました。
前職と比べると年収で100万円程下がりましたが、その時の私はとにかく「働ける事」「安定して給料がもらえること」が嬉しくて感謝しました。

そして数カ月後、もともと紹介予定だった為、そのまま社員となります。
ただし、当時の私は「この仕事をいつまで続けられるか分からない。1年なのか3年なのか。とにかく10年後にここで働いている気がしない」と思っていたので、1年契約の契約社員になりました。

もともと長くいるつもりがなかったのと、この会社は古い日本企業だったため、「ここではカミングアウトはできないだろう」と思っていたこともあり、私はできるだけ会社の人とは仕事以外ではあまり仲良くならないように、距離をおいていました。

できるだけ自分のことは話さない。
できるだけ周りの人のことにも興味を持たない。

そんな風にして、日々を過ごしていました。

それまでの私は「周りは信用できない。自分ひとりでなんとしなければ。」そんな風に考えていたわけですが、この頃「人の心は積極的に癒せる事」を知り、また「自分の心の中にたくさんのブレーキがある事」も知り、徐々にそれらを開放して行く中で、私自身が変わってきました。

そして気がつくと、いつのまにか、周りの人たちの暖かさが心地よくなり「ここなら正社員として、これからも働き続けても良いかも」と思うようになり、私は正社員になったのです。

ところが正社員になると、ボーナスの査定があります。
査定対象のなるのは、それまでの半年間のみ。

それまで契約社員としてやってきた5年間の成果は全く考慮されません。
私はずっと「バックヤード」としてサポートする仕事をしてきたので、売上を出す営業ではありません。

だからボーナスは「営業優先だから、事務の人はみんな”並”扱いになるから」と言われた時に、半分(理性)は理解できますが、半分(心)は理解できませんでした。

そして上司が変わり、私があることで頑張った時、自分としては「3人分くらい働いたよな」と思っていた作業について、上司が評価してくださり、その時の査定は”並”よりは1ランク上に上がりました。

その事は純粋に嬉しかったです。
ですが、その1ランク上がって得られた金額は微々たるものでした。

「え!?あれだけ頑張って、これしかもらえないの?1人で3人分くらい働いて、あんなに大変な思いをして、たったこれだけ?」

結局ここでまた、15年以上前の、SE時代の悪魔の囁きがここでも起きます。
「どうせやってもやらなくても大差ないなら、やらないほうがいい」
「自分の給料分はきっちり働くけど、それ以上働くのは辞めよう」と。

そして思い出したのです。
あぁそうか、自分は「サラリーマンに向いていない」んだったんだ。

ここでも、自分のやったことが純粋には評価されないんだ。
やってもやらなくても「自分はこれだけやったんだアピール」ができる者が得をして、それができない者は損をするんだ。

やっぱり自分は、自分がやったことを正当に評価して欲しい。
上司に「やったぞアピール」なんてするのではなく、純粋に周りの人に評価してもらって、その対価を頂きたい。

そして2度めの「個人事業主になる」決意をしたのでした。


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