13.1人を望む自分

小さい時から「一人っ子」として育った私。

母は夜の仕事で日中は寝ているため、家にいても独りで過ごすことが多かった。
その為「1人で何でもできる」必要があった。

いつの頃からか自分の中に「一人の力で生きていかなければならない。周りには自分を助けてくれる人はいない。周りを当てにしてはいけない」、そんな想いが芽生えていた。
(後に、これは前世から引きずっているものと知る)

そんな想いを抱えていたので、実際にそういう現実が引き寄せられていた。

SEになった時も、上司から「こういうのを作って。じゃ、後はよろしく」と任され、それなりに成果を出していたので、当時はそれで良いと思っていた。

あるプロジェクトのメンバーになった時は、先輩たちと一緒に仕事をしていたが、それぞれ役割が分担されており、みんな別々の内容だった事もあり、ここでも一人で作業をしていた。

その後も、あるプロジェクトを任され、(営業を除いて)1人で仕事をしていた。

SEを辞め、個人宅を訪問サポートする仕事についた時も、個人事業主として1人で仕事をしていた。

その仕事を辞め、再びサラリーマンとして働き出した時は、3人チームで仕事をしており、この時は「チームプレイ」の素晴らしさを実感したときだった。

その仕事は残念ながら「会社が無くなる」という結果になった為、強制的に転職する事となった。

その後の転職先では、「社内で唯一のエンジニア」として入社し、部長もコンピュータに詳しくないため、ほとんど上に管理されること無く、自分の力量で、自分のペースで好きなように仕事を進めることができた。

だが、社員が増え、仕事量も増え、1人では回せなくなり、初めて自分の下に人が付いたが、結局自分は別の仕事がメインになり、そこでもまた「自分にしかわからない1人だけの仕事」をするようになった。

そしてどんどん忙しくなり、1人では回らないので「周りに手伝ってもらいたい」と思った時、問題が起きた。

結局、自分にしかわからない専門性の高い仕事をしていた為、手伝ってほしくてもその内容を1から説明しなければならず、その説明する時間があったら、自分でやったほうが早いのだ。

その為、「手伝ってもらいのに、手伝ってもらえない」というジレンマに陥った。
そしてどんどん忙しく、苦しくなり、仕事が進まず、他部署の上司から怒られ泣いたこともあった。

そこで意を決して、上司に「仕事が回らないから人を入れて欲しい」と言ったが、「もう少し頑張れ」と言われ却下されてしまい、私は「言っても分かってもらえない…」と悲観した。

本当はもっと早く言うべきだったのだ。
周りの人はもっと手前で、たいして問題になる前から騒いでいるらしい。

だから上司も「1回言われたくらいでは動かない」というスタンスを取ったらしい。
でも私にとってSOSを出すのは、本当に最後の最後、「もう無理」と思った1度しか出さない。

そこまで頑張って、頑張って、もう限界だと思って、やっと初めてSOSを出せる。
なのにそれが却下されてしまうと、後はもう絶望しか残っていない。

結局「1人を望んだ」のは自分で、実際にそれが引き寄せられ現実となったのに、その現実に自分自身が苦しんだ。

真面目な人、仕事熱心な人に、この傾向が強いと思う。

「周りは当てにならない」
「自分がやるしかない」

そんな風に思っている人は、「できません。もう無理です」と言うことができない。
何故ならそれは「自分は能無しです」と認めることになるから。

周りの人は誰もそんな風に思わないのに、自分の中でそう思ってしまうから。


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